終焉
いつのまにか衝動的に写真を撮らなくなってしまった
去年の秋口からゼミが始まり、新しいバイトも始めて、ほとんど毎日外に出てすきな人にも嫌いな人にも興味がない人にもあって、ずっと求めていた所属感を得て、寝る時間が削れることも多々あるうちに、自分について考える時間が必然的に減ったら悲しみも減って、それと同時に長かった恋も薄れて過去になった
写真を撮る時の面持ちはひとつだったのに片手間になったら、自分にとっての写真を撮る意義が失われた
わかりやすく自分の状態をいうと、元気で明るくいる時間のほうが上回ったのだと思う
写真を撮る前の日常が戻ったというか、また新しくなったのかよくわからないけれど、そんなかんじだ
喜ばしいのに写真への熱意が弱まったことに不安を覚える
でも今は毎日充実していて手放しで楽しい
約3年半のあいだの、過眠や不眠と躁鬱を繰り返して、どこでもないだれでもない、それならどこへいけばいいのか?という疑問もいつのまにか消えていた
人と付き合うことや恋をすること、そのさきにある結婚、卒業制作、卒業後の進路は、まだ不透明なのにそのあいだの積み重なりが気持ちを強くしたのか
呆気ないけれどこれが自分の求めていたものなのか
知らないことを学ぶこと、写真を突き詰めることへの探究心が減ったら、自分の内側から何かが失われそうで怖いけれど、涙は出ない
理性は保っていられる程度のことである
とにかく今は目に見えるやるべきことをこなして過ごしていくことにする