そのまま

ふたつめの現場が終わった。

話をいただいてから撮影までは約1ヶ月弱で、時間の経過が驚くほど早かった。

準備期間は合間にゼミ、卒制の撮影、二つのバイトがあって、休む暇なく、記憶はあてにならなく、ケータイのメモだけが頼りだった。

イン前は久しぶりに鬱状態になって、もうこの仕事はやらないと決めて臨んだ撮影だった。(仕事といっても、今回は無償だったのが悔しい。しかも、現場中に口座から2万消えているのも悲しい。)

撮影が始まってからは毎日怒られてたけれど、自分がやらなければいけないことが多くあったから自意識が生まれる隙もなく、怒られてもへこまなかったし泣かなかった。

前回の反省を生かして動けたことも多く、現場外で怒られることは余りなかったから、出来るだけ取り零すことなく吸収できたと思う。

学生の子が多かったから、自分は慰められる側じゃなくて、慰める側だったのも、立場の変化を実感した。

映画制作自体にお金がなく、車がほとんど出なかったから、毎日2万歩は歩いて、走って、部屋に帰ったら気づけば寝てた。

こんなこと部活以来で、3時間しか眠れない日が2.3日続いても、意外となんとかなることを知った。

お金を貰えないのに、自分で判断しなければないことが多く、責任があったけれど、消えものや美術は好きにやれたから、良かったことも勿論ある。

 

現場は終わったといえ、振り返ればほんとうにいろんなことが滅茶苦茶だった。

組によって常識が違うことは何となく知っていたけれど、適応するのが難しく、それを覚えるのも一苦労だったし、滅茶苦茶なことはいつまで経っても整理がなされず、その場凌ぎでも撮影できてしまうし、クランクアップを迎えられたのも事実だ。

終わってしまえば、また日常に戻り、次の現場もそれぞれ決まっている。

落ち込んでいる暇もなければ泣いている暇もない。

 

今日は、気合を入れる為に髪の毛を切った。

この短さは高校生ぶりかな。

前の組の人たちに会って元気を貰ったから、明後日から始まる組も思う存分やりきりたい。