くらし
寂しさに気が狂いそうになって、
顔の見えない人間に頼っていたら
今度は虚しさで目が冴えるようになった。
久しぶりの不眠
目元から後頭部にかけて疲れが溜まっていくことや
覚醒している時間の長い脳を気にかけながら、
「またなったなあ、少しずつ整えていくぞ」
という気持ちでいられている。
ついこの間、眠りに関する本を読んで仕組みがなんとなくわかったから、
眠れないことへの不安はあまりない。よかった…
オレンジ色に激しく染まるリビングに浸って、
かんぺきを与えてくれる家事をこなす。
洗い物をして、溜まった洗濯物を干すことは
生活するためとはまた別の、
暮らしを楽にしてくれるものになった。
最寄りの駅前のスーパーまで
ほとんど初めて自転車を使わずに歩いて行った。
普段は流してしまうものに目がいったり、
このまちに住んでいる人を間近に感じたりして、
いつもより新鮮に映った。
帰りに花屋でマリーゴールドを買った。
四種類の色の中から、
黄色にほんのすこし茶色の模様が入っているものを選んだ。
ここまできてしまったら取り返しがつかないと悲観していたが、
生活を立て直したら心もなんとか持ち直せた。
そうやって生きていくんだなあと思うと、
急に落ち着いて眠気がやってくる