手繰り寄せて

朝4時のにおい、昨日に引き続きかいでる

鳥のさえずりをききながら、洗濯物をたたんだ

部屋の片付けをする頻度が高くなっているのに、常に散らかっている

散らかっているのに、時間が動いている感じが鮮度をたもっている

枯らせてしまったお花を目の前にして

早く埋葬しなくては、と思って実行するのはいつになるのやら

自分の意思がともなう行動で得たものだけまもりたい

わがままだなあってきこえた

わがままだなあってつぶやくのはいつかの誰か

いまのわたし

目の前を漂う綿毛のようなむし

ふーって吹きかけた綿毛

目の前はかわべで野球をするひとたち

途中で降りた駅

待っていた返事、結局一緒に帰れなかったな

するする紐解くように思い出される川での出来事、そのさきの学校と友人の家

急な斜面の坂道を登ったらドア越しに聞こえるバンド練習の音

聞き覚えのある歌

ベンチにひとり、ギターを練習する人はいつかのわたしです

カテゴリが増えるにつれて忘れ去られるはじめのほうにカテゴリにいれられたものたち

断片だけ残る記憶、もう、生きているうちには取り出さないもの

感情は移り変わるが、季節はいつもおなじ

朝昼晩のにおいを閉じ込めたら、風でゆれる木が筆をにぎってひとつの絵になる

まあるいテーブルを囲んだ外国に住む日本で生まれた人

どんなかおしてたっけ、たばこを巻く指先

あれから映画でよく目にする

過ぎてほしくなかった時間を繰り返し再生する

永遠に生まれない永遠に心を焦がして

また寝たら忘れるいくつかのこと

ホチキスであけたあなから風が通り抜ける

痛みを伴うなら絆創膏をはってあげましょう

ひゆではなく、ひふに

辿るのはひとやすみして、眠りにつきます

誰?

私が会いたいのは君だけです

君に会えない以外のことは大抵平気です

数日に一度涙が止まらなくなって、あらゆる悲しみに集中するけれど、次の日になれば元に戻ります

何かをみて思い出すのではなく、私の揺るぎない希望であって、何かに紛れることはあっても、そこにあります

なんだ、結構どうでもいいし、忘れることなんて意外と簡単なことなんだ、と安堵してはまた不安が襲って君を思い出します

俯いて微笑む姿と柔らかさの中にある孤独にいつも安心できた

破られた幾つもの約束、同じくらい私も破った

守られるか分からない約束に何度祈りを捧げたか、数え切れないです

私の不安定を救えるのは君だけだった

多分今もそう

大丈夫だよと言われたら、その根拠のなさに腹を立てながら私は自然と眠りにつけると思うのです

始まったら終わりがあるから、始めることをやめてしまったこと、後悔してないよ

原動力はいつでも君の存在です

一緒に過ごしたときのこと、昨日のことのように思い出します

そうして私の手で生み出されたものを抱きしめてまた、明日こそ、会えますようにと心の中で唱えて眠りにつきます

夜は冬

いつぶりか分からない掃除と洗濯物の外干しをしたら気分がかなりよくなった

冬に逆戻りの寒い日だったが、日差しが明るく、お気に入りの赤みがかったオレンジのスウェットと昨日買ったばかりの白のサルエルパンツをはいて家での時間を過ごした

やるべきことはゆっくりこなすことができた

昼過ぎに展示を観に来てくれた友人から電話があり、よかったよと改めて伝えてくれた

信じられる言葉をくれる人

それだけでだいたいのことが大丈夫になった

初心に帰ろうと思い、家の写真を何枚か撮った

家の中に差し込む光やカーテンによりできる模様が自分の撮りたいものだと思った

適応するのに時間がかかるだけ

これまでもそうだったから、落ち込まずに気長に待とう

まだ終わっていないことに心をすり減らさずにやりきりたい

疲れたな

とても疲れた

求めていないものを与えてくる多くの人間による人疲れと、数日におよぶ夜遅くまでの作業と緊張による心身の疲れがごちゃごちゃになってもうとうぶん隠居したい気持ちになってしまった

穏やかな生活を取り戻したい

まずは家事を少しずつしていこうと思う

最後に料理や掃除をした日が思い出せない

生きている植物を簡単にゴミ袋に詰めることをしょうがないで片付ける粗末な心が恥ずかしい

可哀想という言葉がまとわりついて離れない

会いたい人には会えず、終わりが容易く見えてしまう現実が寂しい

理解してくれる人間との未来がみえないのならば、自分の行動源はなくなり、あらゆるものが無意味に思えてくる

自信なんてつくはずないし、早歩きで一周

タピオカを置いて出て行く人間の行動が自分への評価を物語っている

居座る人間の教養のなさと、ただコミュニティにしがみついているだけのことを自慢気に示してくる格好の悪さを顧みない人間の存在

吐き気がする

写真はもう撮りたくない

作品にするつもりもなく、褒められたいわけでもない

ライフワークであり、自分の記録

またやらないし、やりたくもない

持ち帰った差し入れは一口も口にする気にもなれない

人の善意を踏みにじっていることへ罪悪感はあるが、そもそも甘いものは好きではないのだ

人に興味がないのではない

興味がある人間が多くないだけ

これからも一緒にいたい大好きな人間も沢山いるのに、その興味の持てない人間が自分に対してアプローチをしてくることは受け入れ難い

好きな人間よりそうではない人間の顔ばかり思い浮かんで気が晴れない

今すぐ飛行機に乗って、ゆかこさんやまみちゃんに会いに行きたい

その想像しか自分を励まさない

みんな元気かな、上手くいくといいなと願う人たちは出会って2年、その間に私も彼等もふたつ年を重ねた

月日だけが過ぎてしまったように思う

明るい方に切り替えることが難しい

それほど疲れてしまったのだからゆるしてほしい

ここ数日の自分の発した言葉と表情は作りもの

本音と建前

それにこれほど疲れてしまう自分の幼さに焦りを感じるが、合っていなかっただけのことでもある

深呼吸しても苦しくない場所はあるのにね

わかったふりや想像力のなさは人を傷つける

諦めきれない幾つかのこと

憤りにむかうのは賢くないのだろうか

賢さとはそもそもなんなのか

言語化もできないなんとなく感じたことを口にすることは無責任だからそろそらやめておく

今は寝ること、好きなことをゆっくりやることでしか癒せないと思うから、少しずつ調整していこうと思う

何処

躁が来たら鬱が来るようになっている

軽度の不眠による頭痛がしんどい

まだ二週間まだ一ヶ月まだ半年まだ一年まだ二年まだ三年まだ四年…

長いのか短いのか判断しかねるまま時が過ぎ、慣れてきたものの毎回絶望的な気持ちになる

完全には治らない、慢性的なものになってしまったような気がする

薬は飲みたくないし、自分でできる範囲で改善したい

自分の中で時間が動き出してからずっと、溺れる寸前の水位

息ができない

深呼吸をしたら、また寂しさに打ちのめされる

どっちも辛いが、今は時間を止めることの方が恐怖

直接的に、具体的に言葉にした者の声の方がよく届く

言うことと言わないことの無意識な取捨選択は見逃さない

暗さをまき散らして嫌な思いをさせたことが何度もある

その時に言われた言葉や態度、今なら分かる

その時に一緒にいてくれた人のことを本当に大事に思っている

そのままでいいよと声をかけられる人間になりたい

暗さやよくないものを孕むものからは人は離れていく

たとえ離れて行かずとも良い影響を与えられないことは間違いない

だからとにかく、笑うようにしたら少しはましになった

泣きたいのに笑っているときが一番がんばっている

頭が痛くて心がここになくても、人間笑えてしまう

表情が心とは限らないことを知った

月は真上、煌煌と照らされたベランダが私の居場所

変化

心境は目まぐるしく変化している

憧れや想像にしかなかったものを実際に幾つか経験すると、どんどん落ち着いていく

物理的で目に見える終わりには安心するけれど、続いてほしいと願ってしまうようなものの予期しない、またはいつくるか分からない終わりはただただ心細くなるだけ

振り返っては思い出していずれ思い出さなくなる

寂しさからは逃れられない

生活をする現実に対峙すると、お金に繋がらないことに意味を見いだせなくなる

考えたくもない他人の悪意を自分も少なからず、ときには慈悲がなくなるほど持っている

やさしさってなんなのかよくわからない

自分自身のことのみを巡らせている時間はなにも生まない

バランスを未だうまくとれない

崩れては持ち直し、上手くいくこともあるけれど、長続きさせることは中々難しい

何も分からないと思うのは、目の前にあるものから目を背けたいだけ

気にしなくても、なくなるわけではないからさあ

作品だけは信じられても、突然それに対して意味を見出せなくなるときだってたまにある

毎日が繰り返し

会いたい人や好きだった人、終わらないでほしいと願った時間さえ助けにはならないとき

人のいいところだけを羨んでしまうことは貧しい

想像できても、そうしてしまうことに何も感じなかったり罪悪感を覚えたりする

全部ひとつじゃない

ひとつになるのは主観だけ

それだけを見れたら良いのだろうけれど、逃避できるものを探してしまう

強さってなんなのかわからない

信じられるものにもわからなさを感じたら行き場がなくなる

楽しみが遠いと叶うかどうか心配で小さな画面ばかり眺めてしまう

眺めている時間に比例して、自分自身への価値を見失っていく

きっとこうすれば楽、みたいなことも楽ではない

兎に角今は疲れているからゆっくり休むことが必要

終焉

いつのまにか衝動的に写真を撮らなくなってしまった

去年の秋口からゼミが始まり、新しいバイトも始めて、ほとんど毎日外に出てすきな人にも嫌いな人にも興味がない人にもあって、ずっと求めていた所属感を得て、寝る時間が削れることも多々あるうちに、自分について考える時間が必然的に減ったら悲しみも減って、それと同時に長かった恋も薄れて過去になった

写真を撮る時の面持ちはひとつだったのに片手間になったら、自分にとっての写真を撮る意義が失われた

わかりやすく自分の状態をいうと、元気で明るくいる時間のほうが上回ったのだと思う

写真を撮る前の日常が戻ったというか、また新しくなったのかよくわからないけれど、そんなかんじだ

喜ばしいのに写真への熱意が弱まったことに不安を覚える

でも今は毎日充実していて手放しで楽しい

約3年半のあいだの、過眠や不眠と躁鬱を繰り返して、どこでもないだれでもない、それならどこへいけばいいのか?という疑問もいつのまにか消えていた

人と付き合うことや恋をすること、そのさきにある結婚、卒業制作、卒業後の進路は、まだ不透明なのにそのあいだの積み重なりが気持ちを強くしたのか

呆気ないけれどこれが自分の求めていたものなのか

知らないことを学ぶこと、写真を突き詰めることへの探究心が減ったら、自分の内側から何かが失われそうで怖いけれど、涙は出ない

理性は保っていられる程度のことである

とにかく今は目に見えるやるべきことをこなして過ごしていくことにする