ひとみ

 

目の色はなにいろですか?

瞳孔がはっきりとわかるブラウンに憧れています。

 

 

環境が変わっても人は変わらない

わけないじゃないですか。

忘れることと記憶することが入れ替わると

精神はおおきく揺れ動くわよ。

変わる、という言葉が適切ではない気もする

 

「時間というものがあって、

前に進むことを好む才能だ。

腕は磨かれ、飽きがきて、卒業する。

そんなうそを信じ込める才能。」

 

 

私は来年の春で22さいになるのだが、

これまで5回住むところが変わりました。

母親が不在のときが2回あって、

今はその2回目が続いています。

(たまに遊びに来るけれど。)

1回目のとき

おじいちゃんやおばあちゃんが来てくれて、

リビングに心もとなく座っていた姿を

冷凍餃子とおでんとともに記憶している。

あの寂しくて笑顔のない空間

グレイがまじったブルー

 

 

母親が家をあとにする晴れた朝

顔が怖いくらいにまっしろだったこと

 

 

縄跳びを持って勢いよく飛び出した私は

お花が立体的にデザインされている

可愛らしい傘立てに縄跳びを引っ掛けて

割りました。

怒られると思って父親に電話すると、

まず怪我をしていないかきかれて

それ以外のことはなにも言われなかった。

父親に大事にされているとしった

一番古い記憶です。

 

 

目の色が分かるほどひとを見つめたことありますか?

 

 

ふたつめの家

佐賀県の小学校へ通っていた頃、

ペアを組んでお互いの顔を描く

授業がありました。

背の高い髪の毛が真っ黒で少し量が多い男の子

その男の子の目は黒色でした。

周りの人は目の中に映り込むものまで

細かく描き込んでいるから

私も見つけようと必死に目の中を覗くのに、

なにもないんです。

ただ、まるい黒が浮かんでいるだけなのです。

どうして自分のペアになった人は

目になにもないのだろう。

私が見つけ出せないだけなのだろうか。

そんなふうに不安に思いながらも

真っ黒に塗りつぶしました。

 

同じ小学校での七夕

短冊にお願い事を書いて吊るしました。

クラスにひとりいる、大人びていて

物知りで、立ち振る舞いに意思のあって

自然と周りに人が集まって来る

そんな女の子はこう書きました。

 

「世界平和」

 

度肝を抜かれて、

それからしばらくどこかで何かをお願いするたび、

この四文字を頭に浮かべていました。

その子の瞳は透き通るほど明るめのブラウンでした。

 

 

2000字のレポートそっちのけで

900字ほど書いたところで

幼い頃の回想を終了しようと思います。