光源
旅行へいけなくても、空をみれば太陽の光と雲の動きをみるだけで、こころをどこかに置き去りにしてしまう
みたくないときは無意識のうちに見上げていないから、鬱陶しくおもうこともない。
もう越してきてから二ヶ月半も経っているのに、7階から空や街を見下ろすたび、まりちゃんと下北でこっそり登ったビルの最長階からの景色を思い出す。
今年の夏休みは、非常に落ち着いている
寝て本読んでケータイいじって過去のドラマ見て映画見てバイト行って、という日々
2ヶ月もバイトをしなかったから、バイトへ行く交通費しか持ち合わせていない
遊びに出かけられないことを退屈に感じながらも、失われた瞬間嘆くことになるのだろうと容易に想像できる。
なににも追われず、ぼうっと過ごせる時間は人生の中にあとどれほど残っているのだろう。
そういうことを考え始めると、夜に足元から浸かりはじめ、寂しさがのうに減り込んでくる。
ひたひたになってくる明け方、漸く眠りに落ちる。
考えても仕方ないと諦めると、朝も昼も夜もぜんぶ統一された光になるのかもしれないな。