うみ

言葉を求めた先の砂漠

水平線の向こう側にあると信じた永遠

歩いても歩いても手に入らない

けれども

歩き続けることこそ永遠なのだ

誰も気がつかない

わたしは気がつかないふりをしている

みんなもそうなのかもしれない

足は疲れるし、喉は渇く

歩みを止めない理由は

いつの間にか深いところまで埋まっていた。

 

熱から逃れる夜

サラサラの砂に身をうずめて

このまま目が覚めなければいいと思う

ここは沈まない海

わたしはこれを平和と謳って

自分の声は子守唄になる

カラカラの喉だけど

音はうまれる

 

これを幻だと思ったら、

みんな去ってゆく

その水平線の向こうに消えるまで

じいっと息を殺す

ふたたび会うことはありませんように

というささやかな祈り

もう亡き足跡に自分の足跡を当てはめて

その人の足の大きさを初めて知る

辿ることのできない道

 

こうしてぼんやり突っ立っていると

どんどん沈んでいくこと

すっかり忘れていた